ミラのストライカー『プロキオン』の大型ビームランチャーの攻撃を防ぎ、戦闘不能となるストライカー『ストック&ペイ』。
パイロットであるロイは戦意を捨て、ミラがとどめの一撃を放った瞬間… 。
龍雅のストライカー『ディア=パノス』のダブルトマホークによって直撃は回避された。
龍雅「光学迷彩はまだ働くよな?ロイ。お前はここから即時離脱しろ!!」
ストック&ペイは立ち上がり即座に景色と同化した。
ロイ「すまない。僕はここで離脱するが奴の火力には気をつけろ…」
ストック&ペイはスラスターを展開し後退していった。
龍雅はストック&ペイの離脱をモニターで確認するとプロキオンを直視した。
龍雅「ミラ…確かに俺はお前を置き去りにしてしまった事については謝る。だけどお前、自分が何をやってるのか解っているのか?」
ミラの目は再び狂気じみた物へと変わった。
ミラ「解ってないのは龍雅の方よ!!!?龍雅が私の側を離れたから?兄さんの前での誓いを忘れたの?!!」
龍雅「忘れるわけがない!!だが…!!」
龍雅の頭の中では当時の記憶が蘇っていた。
今から一年と少し前。
龍雅『アッシュ=クリミア中佐に…敬礼!!』
とある巨大ターミナルポートの片隅で一人の兵士のためにささやかな追悼が行われていた。
黒衣の制服の兵士が三十名集まった程度であった。
ロイやガイラーそして彼の唯一の肉親であるミラも出席していた。
三機の砲撃専用のストライカーが空に向かい空砲を放つ。
ロイ『(僕は…貴様をとうとう乗り越える事ができなかったか…)』
ガイラー『(戦争を終結させた立役者をこのような扱いで済ませるなんて!!それでも何も思われないのですか!?峰崎少佐!!)』
龍雅『………敬礼止め……解散…』
喪服に身を包んだミラがそっと龍雅の背中にもたれる。
ミラ『龍雅…私これからどうすればいいの?』
龍雅は少し俯いた。
龍雅『共に歩もう…、そしてあいつの生きた証を守りながら一緒に考えよう』
龍雅は我に帰りミラに返答した。
龍雅「お前にも辛い思いをさせてしまった…お前が辛さから解放されたいが故の行動なら構わないさ…だからこそ俺の手でお前を始末する!!」
龍雅もまた涙ぐんでいた。