「あはは♪タカシ君て面白いねここには、よく来るの?」
「はいっ!結構よく来られます。おねぇさんは?」俺は、本当にどうしたのだろう。上手く話せない。日本語覚えたての外人みたいだ。
「私も結構来られます♪私の名前は、カナエだよ。おねぇさんはやめよ♪」
俺は、おねぇさんの名前を知らなかった。リリちゃんに聞いた時も名前を聞くのを忘れていた。
「あっ!俺はタカシです。って知ってますよね」
「あははは♪タカシ君は、ここで何してるの?」
「サトシと一緒に来たんですけど、リリちゃん来たからって、迎えに行きました」
「あれっ?私もリリと来たのよ。リリは用事あるから、帰るって言ってたけど?」
「えっ?俺サトシに連絡してみます」
俺は携帯を取り出しサトシに電話した。
「もしもし。」
「タカシぃ。びっくりしただろ?俺の話を聞いてくれたお礼だよ♪」後ろからリリちゃんが、「タカシ君。おねぇちゃんと上手くやってね〜♪」
と電話が切れた。
「もしもし!もしもし!お〜い!」ハメられた!
「なんかハメられたみたいです」
「みたいだね♪」
おねぇさんはニコっと笑った。
俺は、何を話せばいいのかわからなかった。
夕日が沈み始める。俺は必死に頭の中のタンスを開けていった。聞きたい事は山ほどあるのに、一つも出ては来なかった。
「そろそろ。帰ろっか?」
カナエさんが切り出した。
俺は、口に鍵が付いている様な感じだった。カナエさんが帰る後ろ姿をただ見てるしかないのか。俺は口を手で開き、薄い声で言った。
「あの〜。携番かアドレス教えてください」今にも口から心臓が出てくる感じだった。
カナエさんは振り返り、俺の方へ歩いて来た。
「いいですよ♪」
番号とアドレスを手帳に書いて、渡してくれた。
「じゃ♪またね♪」といいカナエさんは、帰っていった。