映画も終わり、二人でご飯を食べに行くことになった。
「今日は、私がタカシ君におごってあげるよ」
俺は、本当に自分が、情けなく思えた。車に乗せてもらって、映画の料金も学生割引、その上ご飯まで…。全てに置いて俺は、中途半端な感じがした。
「いや!でも…」
「いいから?♪ねっ♪」
二人とも食べ終えると、カナエさんが話始めた。
「リリに赤ちゃん出来たんだってね♪聞いた?」
「まっ。一応」
「あのさ、タカシ君とサトシ君が、家に来た時あったでしょ?あの日かな?聞いたのは。それから、毎日家に来る様になって…」
「えっ!?毎日?」『あいつ、俺を誘えよ!』
「そう。それで、サトシ君ね。毎日?タカシ君の話するんだよ!あいつはいい奴だ。とか、あいつが居たから、今の俺があるとか…」
『あいつのお節介始まってたんだな』
「聞いてる?」
「ごめん?聞いてるよ。」
「タカシ君も毎日来れば良かったのに♪」
「えっ?俺?」
「会いたくなかった?なんてね♪」
「俺は会いたかった。」
自分でも、びっくりしてしまった。顔が熱くなる。
「…ありがと」
カナエさんも赤くなっていた。
急に恥ずかしくなり、俺は、何も話せなくなっていた。それは、カナエさんも同じだった。
店を出る事になり、少し気まずいまま、車の中では一言二言しか言葉を交わせないでいた。
俺が車から降りると。カナエさんは「タカシ君。今日は楽しかったよ♪じゃっ。またね」
「あのさ。俺まだ高校生のガキで、まだ何もしてあげれないけど、カナエさんの事好きだ!毎日会いたい。もし良かったら付き合って欲しい!」
俺の心臓はもう持ちそうもないくらいドキドキしていた。
「いいよ。」
カナエさんの言葉だけが、頭に響いた!
「マジ?」
うん!とカナエさんは軽く頷いた。