―北の入り口(内部)―\r
「うらぁ―――っ!!」
「フッ・・・」
啓吾は、惷に向かって何度も攻撃するがどれもかわされてしまう。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
「け、啓吾・・・。無茶しないでよ!」
「儘が・・・やられたんだ・・・無茶せずにはいられないだろ」
「・・・」
ココに入って1時間は経っただろう。啓吾の足はフラフラで今にも倒れそうだ。
「私も、やるから」
「・・・?」
「その、儘って人も『リイバー』の人みたいだし、同じ『リイバー』同士何だよ?家族みたいなもんじゃん」
「でも・・・」
「とにかく、私もやるから」
「はいはい・・・分かったよ」
「じゃ、行くよ〜っ・・・―――」
2人は一斉に惷に向かって走った。
「2人いっぺんに来ても無駄だ」
舞が手を前に突き出す。後ろから何十匹もの蝶が出てくる。その蝶は惷の近くまで来ると、一瞬で透明な先が尖った物に変化した。
「フッ・・・。そんな攻撃」
惷が手を前に突き出すと、たくさんの風が惷の前に集まり、風の壁を作り上げた。そこに、蝶は全てぶつかり消滅した。
「弱い、な・・・―――」
と、風の壁が消えかかったその時・・・―――。
「なっ・・・!」
惷の前に啓吾がこぶしをつくって前に押しだした。
だが、また一瞬のうちに風の壁は現れ、啓吾は風によって後ろに飛ばされた。
「いって〜ぇっ・・・」
「ふ〜っ・・・だめかぁ。いい作戦だと思ったんだけどなぁ」
「ま、そぉだな」
「貴様ら、今の攻撃で僕を倒せるなどとおもったのか・・・?」
「あぁ。そぉだな」
「ずいぶん甘く見られているらしいな・・・」
「?」
惷の周りに風が集まり、そしてグルグル渦を巻いたようになる。やがてそれは大きな竜巻となった。
「なっ・・・なんだよ、これ・・・」
「・・・!」
どうやって・・・戦えばいいんだ・・・―――?