サトシと俺は、部屋に行き話をした。
「学校どうするの?」
「明日、退学届けだすよ。」
「そっかぁ。」
俺は、急に寂しさが込み上げてきた。
「おっ!懐かしいね♪この写真。」
サトシが手に取った写真は、俺達が中学の時に、違う中学の生徒とケンカになり、ケンカに勝った記念に二人で撮った写真だった。
「タカシの目見えないじゃん!しかも何だ!この髪の色?病気じゃん。」
「うるさい!お前だって両目ふさがってるじゃん!なんだこの戦艦みたいな髪型はっ?」
二人で大笑いした。
「でも、お前が父親なんてな!この頃では、想像つかないな!」
自分で言ってまた、寂しさが込み上げてきた。目の奥が痛くなってくるのが分かる。
「タカシぃ!サトシ君ご飯出来たわよ!」
かぁちゃん!いいタイミング。
二人で下に降りて行った。
「サトシぃ!元気にしてたかぁ?」
俺の親父だ。
「おじさん。お邪魔してます」
サトシは、深々と頭を下げた。
「おじさん、実はおじさんに話があるっす」
サトシは、親父の前に正座した。
「どうした?」
親父の顔が、少し強張る。
「俺、今付き合っている彼女に子供出来ました。」
「まぁ」かぁちゃんのあいづちが入る。
「俺、学校辞めて、そいつと一緒なります。俺には、父親がいません。かぁちゃんは説得しました。」
親父はうん。うんと頷いていた。
「俺にとって、おじさんが父親みたいな存在なので、おじさんにも話をしておかないと…」
サトシが言いかけた時、親父が話始めた。
「サトシ!タカシもお前も俺の息子だ!俺は、祝ってやる!」
サトシの目のが赤くなっていた。
「だが、お前はまだ高校生のガキだ!そんなお前が、子供を育てる事出来るのか?責任ちゃんとはたせるか?」
親父の目が鋭くなった。
「はいっ!自分はあいつと、赤ちゃんを絶対に幸せにします!」
サトシは泣いていた。俺もサトシを見て涙が溢れてきた。