『お前、何で電話して来ないの?』
あ、あら…ちょっとお怒り?
「だって…」
『まさか、あの問題…未だに解けてないのか?』
う…。
「うん…」
小さな声で頷く私。
『まったくお前は…』
ため息混じり和也。
けどすぐに優しいトーンになる。
『俺がいないとホントにダメだな』
「そーだよ。和也いないと解けるもんも解けないよっ」
嘆いたフリをする私に、
『じゃあ又、そっち行くから』
って言ってくれた。
最近あんまり構って貰えてなかったから嬉しい。
たまにこーやって優しい言葉を投げてくれるんだよね、和也は。
私の中で好きの気持ちが膨らんでく。
「和也…」
『ん?』
「会いたい…今すぐ」
高ぶる気持ちを押さえられないでいる。
けど、
『ダメだ…』
和也はそうは思わないらしい…。
『あ、用があって…今ウチにいないんだ』
すぐに付け加える。
…用って
何なの?
会いたいって思っても、いつだって『用がある』で済ませる。
「最近ずっとそれじゃん…」
会ったって勉強するだけ。
『しょうがないだろ…』
私は和也の何?
彼女でしょ?
こんなの付き合ってる意味ないじゃん!!