「わかった!も…いいっ!!」
声を張り上げた私は一方的に電話を切った。
そして―夜は明ける。
あの後再び携帯が鳴る事はなくて、私は重たい瞼を隠すように登校した。
「うわっ!!ひでー顔!」
そう言ったのは松本 充。
「うるさいなぁっ」
よりによって見られた!
ってか何で朝からうちの教室に??
「何でいんの?とか思ってんな?」
ぐ…。
顔に出てた??
「彩に会いに来た訳じゃねーぞ?残念!」
松本がニッと笑う。
「べ、別にっ!残念な訳ないし」
ってか、何呼び捨てしてんの!
突っ込み入れたい〜とか思ってると、つるんでたクラスメイトを置いてこっちにやって来た。
(ん??)
松本は私の耳元でこう言う。
「ウソウソ、後で会いに来るからなっ!待ってろ」
しかもちょっと自分で言って恥ずかしかったのか若干赤くなってるし。
…変なの。
伝染しそう(汗)
予告通り、松本がやって来たのは昼休みのチャイムが鳴って間無し。
お弁当を広げようとしたとこだった。
突然取り上げられて、弁当を追い掛けてる内に何故か屋上までやって来てしまった。
「か…返して!」
肩で息をしながら右手を出す。