「リリちゃん。男の子だって?」
今日俺は、カナエの家にご飯を食べにきた。
「そうなんだぁ♪サトシは女の子がいいって言ってたけどね♪」
リリちゃんの腕の中には、まだ小さい赤ちゃんが、スヤスヤと寝ている。
「サトシにどっちって聞いても、わかんね〜って言われてて、気になってたんだ!」
「サトシにも内緒してたからね♪タカシ君は、おねぇちゃんと結婚しないの?」
「結婚かぁ〜」
俺は色々想像してみた。子供を抱えるカナエ。その子供が女の子で…など。
「いいなぁ〜♪可愛いだろうなぁ」
「タカシ君。アホっぽい顔なってるよ♪」
「うるさい!」顔が赤くなる。
「今日は、タカシ君の車?」
「おうっ!めちゃ初心者だけど、やっぱり一番乗りはカナエでしょ♪」
ついこの間免許を取ったばかりで、親父の車だけどな。
「カナエ準備遅くない?」
30分くらい前に準備に向かった筈なのに。
リリちゃんが呼びに行く。
「おねぇちゃ〜ん!タカシ君待ってるよ〜!」
「は〜い。今行く〜♪リリ〜私の、車の鍵知らない?」
「知らないよ〜!今日はタカシ君の車だから、鍵いらないよ!」
階段を降りてくる音が聞こえた。
「タカシごめんね。忘れてた。」
「いいよ♪早く行こうぜ。」
カナエと二人で車に乗り込む。
「タカシ君運転気をつけてね〜」リリちゃんが大きく手を振っていた。