サトシの葬式も終わり、リリちゃんにも、少しづつ笑顔が戻っていた。
「タカシ君。サトシの事故現場に駆け付けてくれたんでしょ？ありがとうね。サトシも喜んでるわね。きっと…。」
リリちゃんは、元気に笑って見せて話を続けた。
「それと、サトシが買ってきてくれた。熊のぬいぐるみなんだけど、切れてる部分を縫って、リクにあげたの。そしたら、リク凄い気に入ったみたいで、この熊ないと寝ないのよ♪」
俺は､熊のぬいぐるみと、一緒に寝ているリク君を見て、見た事のないサトシの姿を見た気がした。
「リリちゃん。今度さぁ親父にリク君、見せに来てね」
「うん♪じぃじにも、会わせなきゃね。それと、タカシ君は、おねぇちゃんを幸福にしてあげてね♪」
リリちゃんが、振った左手には、サトシが買った、もうひとつのプレゼントが光っていた。
俺は、卒業しても良かったのだが、少しでも早く自分達で生活をしたい。自立したいと思い。しばらくして。俺も学校を中退した。
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