僕は二度捨てられた

彌喩  2007-09-17投稿
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『急にそんな事言われても…学校の問題もあるでしょ…』
『向こうには小学生の連れ子がいるんだ』
『あなたがおまえには渡さないって言ったのよ!』
『状況が変わったんだ。俺にも未来をくれ!』

会話の内容が聞こえて来なければ、一年前のごくありふれた日常の風景だ。

だが、今の二人はかつてそう呼んでいたお父さん、お母さんではなく、視線さえ合わそうとしない僕の分裂前の細胞達だ。

僕は中学二年で、どんな状況下でも感情を表さない技を習得してる。少なくとも同じ細胞で出来ているこの人達よりも…

『あいつはどうなるんだ!次はおまえがみてくれてもいいだろ!』
『…。』

息の詰まる沈黙…

僕は今、二度捨てられた…
生活していく術のない中学二年の僕…
僕の中でまた僕を殺した。
二人を恨んでなんかいない。
僕はただ、早く一人で生きていきたいだけ…

肉体までも僕を殺してしまわないうちに。

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