「このままじゃ、だめなんだ」
男はテーブルを強く叩いた。ここは男の家だ。とても狭いアパートの一室である。
「これでは日本が崩壊してしまう」
20**年の日本を引っ張る者――つまり今の総理大臣はあまりに無能で頼りない。この総理に日本を任せられない。だが、自分はもう歳だ。自ら国会議員になり、総理になるのは少し無理がある。
「そうだ!大事に取っておいた財産を使おう。今こそ使う時だ」
父からのたくさんの財産を男はずっと蓄えていた。なにかいい事に使おうと考え、置いていたもの。だからこそ、大豪邸に住まず古いけど安いアパートに住んでいるのだ。
男は白髪頭を捻り、計画を立てた。どんな状況にも対応できるよう、いろいろな場合を考えてその計画を頭で組み立てる。
「完璧だ。これならいける」
男はふふっと笑い、立ち上がった。
「計画実行」