夕暮れの君隠し

リン☆  2007-09-18投稿
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とある商店街。ざわめく人混みの中を少年が人を蹴散らすようにはしって行く。
みんな少年に釘付け。
「へい!彼女、魚買ってかない?」
魚売り場のおじさんがいう。
「何度も言うけど僕は男です」
少年は長い髪に可愛い顔。
「すまないね」
少年は走っていった。殺される!少年は思った。
時はすでに6時。店じまいをする時刻。しかし少年の家の門限は5時だ。
急ぐ少年は角を右に曲がり大きな家に飛び込まないで静かに庭を歩き窓から中へ飛び込んだ瞬間心臓が止まりそうになった。父が立ってたのだ。
「今何時だ?6時30分だろ!5時には帰れ紫音」
少年の名は紫音(しおん)
紫音は無口で部屋をでる。父は思わずため息。

一夜明け休日も終わり学校が始まる。夏の残暑が残っていて気温は35度。秋とは思えない。
ガンガン照りつける太陽の本町会が始まった。厳しい状況のなかこらえる。一部の一年生は座ってる。紫音は6年2組だ。目立ったクラスではない。まあ、紫音には関係ないが。紫音は明日引っ越すのだ。この久保山町を。山がついてるが大都会だ。
そしてこの町会を終えて学校を去るのだった。すきなひとは居たが男が僕をすきになることは多い。

みんなとはお別れ。さようなら

引っ越すのは初めてではない。親の都合で何回か引っ越してる。
親は仕事仕事だ。
愛情を十分貰えない子は親を恨む。紫音もそうだ。親など信用できない。
せっかくできた友達が親のせいで台無し。それでも必死に生きる。あきらめない。それが紫音の取り柄だ。

紫音がバスに乗り込むと動き出した。
町が遠く遠く見えた。懐かしい風景。きたころと変わらない風。不思議な気持ち。この土地は不思議だ。悩み、痛みを全て和らげてくれるこの土地が大好き。
時は夕暮れ。夕日が旅立ちを見送ってくれる。
いつしか紫音は寝ていた。
いつか帰ってこれたらな。

続く



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