「ゆーきっ!?」
名前を呼ばれて振り返ると、『絵里香』(えりか)が立っていた。
絵里香は中学の友達で、あいつと同じ高校に通ってる子なんだ。
「なにしてんの?」
「いやっちょっと…」
「あっ早速探してるの?」
「…うん。」
「見つかった?」
「さっきね。でも見失っちゃった…」
「そっか…そうだっ!うちのがっこ来ちゃう?見つかるかもよ?」
「えっ?だって…」
「制服ならお姉ちゃんのあるし!」
「う…ん〜」
「……タケルのこと?」
「いや、そんなんじゃ…」
タケルは中学の時の元カレ…
嘘ばっかりで強がってるくせにすぐ逃げる最低野郎。
それだけならまだしも、タケルは浮気してた。私とつきあう前から…
だから、私は気になる男が出来てもなかなか踏み込むことができないでいた…
信じれば信じるほど、裏切りに耐えられなくなるから…
でも…
「絵里香っ貸して!制服!」
「おっけ〜!」
私は一歩、前に進んだ。