マウス(02)

MK  2007-09-19投稿
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ヒトはネズミを嫌う。僕だってネズミである自分が嫌いだ。ネズミを好きな’ヒト’がいたらそれが彼女であってほしい。彼女の名前はモモちゃんだ。なんてかわいい名前なんだろう。

僕には好きな’ヒト’がいる。ネズミのくせに人間を好きになってしまった。モモちゃんはママに似て肌が綺麗でその優しい表情はまさに秋田美人だ。僕は生まれたときからモモちゃんをみてきた。モモちゃんが家族と笑い幸せに過ごしてきた日々の裏に隠れて誰にも内緒で見守ってきた。

ある日モモちゃんの大きな泣き声をきいた。僕は何事かとモモちゃんの部屋へと向かった(部屋といっても彼女の部屋の壁の裏だ)。

モモちゃんの泣き声に微かな言葉を聞いた−「おじいちゃん…ウッヒック」
僕は涙の訳を悟った。モモちゃんの大好きなおじいちゃんが天国に行っちゃったんだ。それからモモちゃんは、部屋に閉じこもり鼻をすすっては涙を拭いを繰り返し何度も何度も「おじいちゃん…」とささやいた。
なんてかわいそうなんだろう。僕は初めて死という悲しい現実を痛感した。いつもモモちゃんにやさしくて家族思いのおじいちゃんを思いながら僕はモモちゃんと一緒に泣いた−

その夜モモちゃんが眠りにつくと、モモちゃんの寝顔を見て安心したのか僕もすぐに眠ってしまった。

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