「カズマ。
健二君は、悪くないよ。
僕が真紀ちゃんを苦しめてるんだから・・・。」
「悟さんに、お願いがあります。」
そういいながら真紀は、2階からゆかりさんに肩を借りながら降りてきた。
「真紀、寝てなきゃダメだよ。」
あたしは、真紀のところに駆け寄った。
「何かな・・・、お願いって?」
真紀は笑顔で、
「お前なんか、好きになれないって言って下さい。」
と、言った。
「えっ・・・。」
山田さんは、動揺していた。
「あたしは意気地無しだから、悟さんにはっきり言ってもらえないと・・・。
あきらめられないんです。
悟さん、お願いします。」
真紀はそういうと、山田さんに頭を下げた。
「真紀ちゃん。
今まで、はっきり言わなくてごめんね。
僕の中では真紀ちゃんは、俊也の妹でしかなくて・・・。
恋人としてこれからさきも見れない、ごめんなさい。」
悟さんは、真紀に頭を下げた。
「悟さん、ありがとうございました。
最後に、握手してください。」
山田さんに手を差し出す、真紀。
「うん。」
長い間、真紀と山田さんは握手していた。
真紀から手を離すと、山田さん一瞬寂しげな顔した。
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