パンッパンパンッ
私の心とは裏腹に天気は快晴。
澄んだ空に体育祭の始まりを告げる、花火があがる。
相変わらずの長い校長の話。
第一種目の100m走。
佐伯先生がいない悔しさをバネにして、結果は1位!!
楽勝だよ。
新藤先輩とも普通に話せるし、ずっと舞希が隣りに居てくれる。
寂しくない。
「これで、第31回の体育祭を終了します。」
帰り道。優勝して嬉しいはずなのに、舞希は先輩と帰っちゃうし、佐伯先生はいないし。
悲しくなってくる。
「宮下?」
「佐伯先生?」
何故だろう、涙がこぼれてくる。
「えっ!なんで泣いてんの?負けた?」
「違う…優勝だもん」
「じゃあなんで?」
言えるわけない。
「舞希がっ」
「何?」
「舞希に彼氏出来たから1人で帰るの。」
こんな事言っても意味ないのに。
「寂しいんだ?新藤は?」
「別れました。」
「ごめんな!思い出したくないよな。」
「別に、あのっ傷は?当分学校来れないって」
「なんで知ってんの?」
「新藤先輩から」
「……そっか」