『なんだろう。さっきから先生の様子がおかしい。』
「宮下ってどんな男が好みなの？」
そんな事言われると、期待すんじゃん。
『先生みたいな人。』
って言ったらどう反応する？多分、凄く困った顔をして「ごめん」って言うんだろうな。
「優しい人。」
「優しい人ねぇ。他はないの？」
明らかにおかしい。
何でそんな事を私に聞くの？
「ないです。私急いでるんで、帰ります。」
あたしは走り出した。
「あっ待って！！痛っ！！」
驚いて振り向くとそこには、刺されたらしき所から血を流した先生の姿。
「先生！！」
「大丈夫だから。」
「大丈夫じゃないでしょ！」
「…泣かないでよ。……驚かそうと思ったんだけど、笑えないね。ほら、血糊…」
「笑えない。」
「ごめん。あのさっ時間あったら学校行かない？」
「なんで？」
「また刺されるような気がして、先生に頼むと恥ずかしいじゃん」
なんで？目の前に居るのは21歳で、私より6歳も年上の大人。
なのに、同級生みたいな感じ。
「分かった。」
「ｻﾝｷｭー♪」
こうして先生の付き添いで学校に向かった｡
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