私は、大学1年生になって初めて電車通学をしている。毎朝決まった電車に乗って片道1時間かかって大学に通っているのだ。慣れるまでは一苦労したが、最近ようやく慣れてきた。
そんなある日の学校帰り。
「終点ですよ。」
肩をポンポンとしながらそう言われて、私は目を覚ました。
「すみません。」
「いえいえ。大丈夫ですか?あまりにも気持ち良さそうに寝てたので、終点まで起こさなかったのですが…。」
どうやら私は、隣に座っていたスーツ姿の男の人によかかって寝ていたようだ。「本当にすみません…。私はこの駅を利用しているので大丈夫です。ご迷惑をおかけしてすみませんでした。」
「いえいえ。私もこの駅を利用しているので。それじゃ。」
「はい。ありがとうございました。」
スーツ姿の男の人は去っていった。私は、電車が折り返しで出発しそうになるまでその場にいた。