麻里の住んでいる国は高さ8?、幅1?程もある分厚い塀に囲まれ、北に唯一の出口である門がある。
そこに、毎日交代で兵士2人が門の左右に立って国民が門から外へ出ないように監視している。
なぜ門の所にだけ兵士がいるのかというと、分厚い塀は人が登れるような高さではないし、万が一登れたとしても外壁の下には7?程の幅と深さの堀がある為、門以外の所に監視は必要ないのだ。麻里の祖母の家は北門から真南の塀のすぐ近くにある。
祖母の家から麻里が涙を流して出て来るのを見た翁がいた。
「あの子は楓さんの孫の麻里ちゃんじゃ…何かあったのかのう?」