日本A新聞 20хх年七月二二日・第一面―\r
【元高級官僚・過去の汚職露見し逮捕】
かつての教育省次官で、現在でも教育界の重鎮として様々な機関や団体の顧問や理事を歴任している一条トシアキ氏(68)が、昨二一日深夜より現職時代の違法行為の発覚により逮捕され、家宅捜索を受けている事が、警視庁の発表により明らかになった。
一条トシアキ氏の容疑は、公金横領・脱税・贈収賄と多岐に渡り、違法に取得した資金は合計で30億円に上ると推定されている。
一条氏は容疑の一部を認め、現在警察は更なる不正がなかったか、厳しく追及している。
《同新聞・第三面》―\r
【高級官僚の令嬢・暴力団同士の抗争事件に巻き込まれて、惨殺される。】
元教育省次官の娘・一条フサエさん(16)は、昨日夜八時頃、東京都Z区・私鉄T駅前で暴力団数十人に囲まれ、凶器のチェーンソーで全身を切断され、殺害された。
この事件により現場一帯は騒然となり、警視庁は地元で長年抗争を繰り広げて来た指定暴力団・C組とD会による乱闘によるものと断定し、同日深夜から今日にかけて300人を出動させ、双方の事務所を一斉捜索し、惨殺したグループ他八人を逮捕。凶器のチェーンソーも一緒に押収した。
一条フサエさんは、母校の学園祭に参加するために、留学先のロサンゼルスから戻っていた所で、友人と待ち合わせしている都心部へ向かう途中でこの凶行に巻き込まれた。
民間人の犠牲をいとわない暴力団の卑劣なやり口に、地元市民からは一様に不安と憤りの声が上がっている。
《同新聞・第六面》―\r
【高校生同士の喧嘩で二人が死亡】
昨二一日午後二時頃、東京都内の公立中学校に侵入した高校生グループが、喧嘩の上殺し合いに及び、S区の私立高に通う桂シュンスケ(15)と、国立大附属高校生・村上シンジ(16)の二人が、点検に来ていた生徒会長達によって死体で発見された。
二人は殺害現場となった中学校の同級生で、他の仲間と共に、勝手に校内に入った姿が地元の住人複数に目撃されている。
証言によると、高校生グループは酒や薬物でかなり泥酔していた様子で、現場の体育館は当時補修工事で閉鎖されていた。
『学校内司法自治全権委任法』に基づき、警察は生徒会からの依頼があるまで捜索はしない方針を示している。