ピピピピピ…
携帯が6時を告げ、机の上で暴れだす。
「…行きたくねぇ…」
達也は起きたものの、ベッドの上でうずくまっていた。
「達也、塾の時間よ」
いつもなら、あと2時間は寝ていられるのに…
「わかってるよ」
行っても理解できないけど。あーあ、また寝るかな。
「行ってきます」
嫌々外に出て、とぼとぼ歩きだした。
「はぁ、さっき見た夢、最高だったなぁ…」
それは、達也が頭脳明晰でスポーツ万能、さらに女子にもモテモテの人物になっている夢だった。
「あの夢が現実だったら…」
そういって、達也は角を右に曲がった。
ドンッ!
「痛っ!」
ぶつかった勢いで尻餅をつく達也。
「その望み、叶えてさしあげましょう」
達也が目をあける前に、その人物は喋りだした。
「…お前…なんなんだ?」
達也は目の前の人物の姿に、驚愕した。