郊外のとある雑居ビルの屋上…
「派手にやったな。なにもあんな大通りでやらなくても。」
仮面の男が四人、その中の長身の男が言った。
「仮面つけてるから顔はばれないがな…」
長身の男の後方で、ドラム缶の上にあぐらをかいて座っている金髪の男が、遠くのビル郡を見つめている。昨晩、政治家を殺したばかりの赤いマントの男は、どこで手に入れたのか、大量の現金を数えている。そして最後の一人は、長髪で黒いロングコートを羽織った細身の男。
彼は今まさに“仕事”に出発する直前らしく、革手袋を着け、手首をポキポキ鳴らしている。
「気ぃつけろよ。この街の“仮面”は俺たちだけじゃねぇんだからな。」
「愚問だ。二、三分で戻る。」
長髪の男はそう言うと、駆けるようにビルの屋上から飛び降りた…