マドレーヌをもう一度-第二章?

鈴里ユウ  2007-09-23投稿
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…あの時から候補生達はそれまでのようにはしゃいだり、馬鹿騒ぎすることは無くなった。
ともに食事することすら、互いに何気なく避けていたようでもある。
それはケイトとアランも例外では無かった。時々連絡を交わす程度になっていったのである。
空軍幹部候補生としての訓練を終え、正規のパイロットとなってからは、さらにその傾向は強まった。
ただ、その実力は時を重ねるごとにドーリア連邦軍内に知られていく。
ケイト、アラン、グエン、ケリーの四人は全員撃墜王と称され、さらに時を重ねる。

ドーリア連邦とイオニア王国の戦争は終結する見通しが全く無かった。
国力に劣る連邦軍は、地の利を生かして防衛戦において、王国軍を撃退し続けたためである。
もう一つの理由に、星河〈セイガ〉と呼ばれる小惑星帯の存在があった。
これにより、容易に大軍による王国軍の侵攻を困難にしていた。
星河を迂回すれば、そこには要塞を中心とする連邦軍の防衛ラインが確立されており、ドーリア連邦軍自身が攻め込むことが無かったため、完全な長期戦になったのである。

しかし銀河暦三○ー年、ついに連邦軍最高幕僚会議において、王国領への侵攻作戦が決定される。
それは、戦況の行方を定める可能性を大きく秘めた作戦だった。
多数の反対意見を振り切るように、連邦軍は大軍をもって星河を越えた。
三月二日、ついに両軍はアルテミシオン星域において対峙する。
それは、連邦軍にとって、未曾有の悲劇の始まりでもあったのである…



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