「なっ・・・何だよ・・・これ」
見上げると巨大な竜巻、凄い勢いで回転している。
「どうすんだよ・・・―――」
啓吾が言う。
「馬鹿だなーっ!!」
「んぁっ?!」
「1つだけいい手があるでしょ?」
「・・・?」
「はいよ・・・了解」
啓吾は、竜巻の方へ走って行き、舞はその場に右手を付く。
「準備完了」
舞が右手に力を込める。啓吾は竜巻の前で止まった。
「うっ・・・うわ―――っ!!!」
竜巻の内部から惷の声が聞こえる。すると、竜巻の回転が次第に遅くなり、やがて消滅した。
「お〜っ。成功、成功」
「上手くいった?」
舞が啓吾の方に駆け寄ってくる。惷は、その場に倒れている。
「しっかし、よーく考えたな」
「アハハ・・・。簡単だよ、あんなの」
「ハッ・・・」
舞はあの時、地面の空洞に蝶を送らせ、そして最初の攻撃のように蝶は先の尖ったものに変わり、惷が立っていた地面を突き抜けそれが惷に命中し、竜巻が収まったのだ。
啓吾は、儘のところへ行き様子を見る。
「大丈夫だ。ちゃんと呼吸してる」
「奴が倒れているからね」
「よしっ、行くぞ」
「うん」
啓吾と舞は奥にある階段を駆け上がった。