処刑生徒会長第三話・5

まっかつ  2007-09-25投稿
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むしろより大きな問題は自分の足元にある―\r

じきこの大事件について、第三中学校生徒会も、そして何よりも一般生達も多かれ少なかれ知る事になるだろう。

梅城政権は今の所、95パーセントと言う絶大な支持の下、磐石の構えを見せている。

だが、仮にこれが疑惑・スキャンダルにまで発展すれば、その限りではない―\r

生徒会長の権力は強大だ。

だが、同時に浮き沈みの激しいのも事実だ。

いったん支持を失えば、容赦なく落選・リコールの憂き目に会い、政権を奪った次の会長によって【処分】されてしまう事も珍しくなかった。

しかも、政権が磐石だからとて、敵がいない分けではない―\r

いや、自分の場合は改革の旗を掲げている分、水面下にはうじゃうじゃいる。

だからこそ、疑惑が発生すれば、何かと敵対勢力に利用され、攻撃の糸口を与えてしまう。

支持する生徒達を、梅城ケンヤは全く信用していなかった―\r

右にでも左にでもどうにでも動く連中だ。

自分で考えず・決断せず・責任も取らず、そのくせ何か困れば何とかしろと泣き付き、不平を言うだけしか能がない。

だから操り易いのだが、逆から見れば、それは他者からの扇動・謀略にも簡単に乗せられる事を意味する―\r

まあ、これは様子を見るか―\r

一応考慮すべき課題だが、梅城ケンヤはこれも大して恐れてはいなかった。

いくらか支持が下がる事もあるだろう。

あるいはかなり減少してしまうかも知れない。

だが、自分の地位が覆る事態にまでは至らないさ。

なぜなら、今ここで自分が退陣すれば、息を潜めていたイジメ問題が再発するのは火を見るより明らかだからだ。

いくら馬鹿でも、有権者共はなかなかどうして、自分の利害にだけは敏感だからな―\r












むしろ、一番恐れるべきは―\r

つまらない壁掛けテレビを消し、梅城ケンヤは考え込んだ。

近隣の穏健派・取り分け私立k学院会長の九重モエだ。

政治手腕・人望・行動力・どれを取っても今、この一帯で自分に匹敵する存在は、彼女しかいない―\r

しかも、カネでは動かず・力にも屈せず・本来なら嫌いな筈の一条フサエを、己の理念を曲げずに、最後まで助けようとした。

こう言うのが一番厄介だ。

これと比べたらマスコミもネットも学内の反対勢力も、大した敵ではない。

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