「え?だめなの?」目を潤ませながら言った。駄菓子屋のおばちゃんはびっくりだ。
「お願い」
「はあ、しかたないないねぇ。ほら、持ってきな」
「わあ、ありがと、おばちゃん」
そんなやりとりで智也は駄菓子を手に入れた。
「プライドとかないの?」
店を出るといきなり声がかかった。竜二だ
「無いことはない」智也はそう答えると持っていた駄菓子の入った袋をあさりはじめた。
「まあ、いつものことじゃん」
「お前っておばちゃんハンターだよな」ところで、何故タダでお菓子をもらえたかと言うと、智也は恐るべし童顔なのだ。ただ、頭もいいし運動もかなり出来るので、それにともなって、友達もかなりいる。
まあ、そんなこんなで、二人は学校からの帰宅途中のいつもの風景だ。
翌朝のこと。
智也は窮屈な毎日に耐えながら、朝食食べ、身支度をして家をたった。見送り人は母親と妹のふたりだった。