「多分覚えてないんじゃね〜かな?」
空を見上げて話しだす松本。
「何よ?」
さっぱりわかんない。
「受験日…」
首を傾げる私。
「おまえ、カツアゲされてた少年を助けたろ?」
ゆっくりと思い出される。
「あぁ、あれね。助けたって言うか、ムカついたから文句言っただけだよ。でも…何でアンタがそんな事知ってんの??」
「やっぱ覚えてねーか」
「…まさかカツアゲしてた奴らの一人…?」
やりそう、アンタならやりそうだよ!!
とか思ったけど、さすがに失礼なので止めときました☆
松本が立ち上がると上げてた前髪を下ろしてこっちを見た。
「へぇ〜。前髪上げるだけで印象変わるもんね〜」
まじまじと見る私。
「まだわからん?」
松本はポケットから眼鏡を取り出すとかけて見せた。
ん??
何か見た事あるような…。
「あ!!」
やっとわかった。
「カツアゲされてた少年の方だ!」
髪の色が違うからわかりにくいけど、確かにあの少年だわ。
「ま、とにかく…」
私があんぐりしてる間に、さっさと元の姿に戻しながら話す松本。
「おれは、あん時のおまえに惚れた!
だから今のおれがあんだよっ」
…マジですか…?