もし、
私の背中に翼があれば、あなたのもとへ行けるのだろうか…
あなたが消えて三年。
私も二十歳になった。
飲んでみたかったビールも、吸ってみたかった煙草も、欲しくなかった。
あなたと話したことだから。
飲んでみたいね、吸ってみたいね、って。
結局、二十歳になったけど、あなたがいないとダメなんだって気づいただけだった。
時が解決してくれる…なんて本当に気休めだ、とあらためて気づいた。
子供とか、大人とか、関係ない。
大好きな人、無くしたら、悲しいとか当たり前なんだ。
あなたが死んだって聞いたのは昨日。
私の誕生日は今日。
なんだか、誕生日プレゼントを貰った気分。
だって、あなたのもとへ行けるんだから。
もしかしたら、あなたが帰ってくるかもしれない、っていう小さな期待に疲れる日も、涙が止まらなくて家から出れない日も、もういらないのだから。
宙ぶらりんだった私も、これでケリが着くってもの。
翼は無いけど、
飛び立つことはできる。
こわくはない。
ただ、落ちるだけ。
あなたのもとへ。