高校受験を控えた中学3年の夏
私は友人と塾に通っていた
いつもある場所を待ち合わせにしていた私達
ある日いつものように、待ち合わせ場所で友人を待っていた
待ち合わせ場所にしていた所はホームセンター。いつもは明るい所だが…
その日は店は休み
駐車場のライトのみの待ち合わせ場所は
いつもより暗く、陰気な感じだった
近くに無縁仏がある神社があり余計だ
【気持ち悪いな】
直感でそう感じた
霊感は強くはないと思っているが、空気がよどんでいるような感じだった
【何かが違う】
ふと腕時計を見ると約束の時間は過ぎていた
しかし、友人は現れない。その頃は携帯電話などは今のように普及しておらず、ただひたすら待つしかなかった
5分
10分…
いくらなんでも連絡しなくちゃ
待ち合わせ場所は公衆電話前なので、友人の家に電話をした
「もうとっくに出たわよ」
と友人の母
何かあったのだろうか?
急に不安になる
前よりも暗くなった空気、紫色の空
何かおかしい
この場にいてはいけない、いたらまずい
私は友人が気になりながらも急いで帰宅した
翌日、学校で友人に昨夜のいきさつを聞いた
「私も散々待ってたんだよ。家に電話したし」
友人はいたのだ
ウソをつく友人ではない。じゃ何故会えなかったのか…
「どこにいた?」
「公衆電話の前」
「何時頃に来た?」
「18時30分だよ。時計見たから間違いないよ」
私も時間を見るのに、腕時計を見た
18時30分に…
私達はあの公衆電話の前にいたのだ。同じ場所にいながら、逢えかったのだ
近くの無縁仏がある神社には
九尾狐伝説がある
狐にやられたのだろうか
この話には、後々更なる恐怖の始まりにしか過ぎなかったのだ…