歳月

ヨシコ  2007-09-29投稿
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出会いは高1
あれから、6年の歳月が過ぎた頃同窓会のお知らせが届いた。
私の片思いが動き始めた。
あれは6年前の事

入学式、クラス表を見て教室に行った。
とりあえず、指定席に座って隣の子に挨拶を交わした。これが私と彼の出会いだった。
それから、歳月が過ぎても、あの挨拶以来話す事は無かった。
だけど何故か気になる。特に何も目立つ事もないし、私と彼は全くタイプが違ってたのだけど、横顔を見るたび、心臓が煩くなる。これが恋とはこの時は気付きもしなかった。
2年生に進級した私達はまた、同じクラスになった。胸が高鳴った。今年こそは話そうと決めたが、やっぱり沈黙だけが続き、毎日顔が赤くなったり、心臓がドキドキなっていた。この時、ようやく私は彼の事が好きだと気付いた。
しかし、自覚をする代わりに、とうとう会うのも恥ずかしくなり、駐輪所で玉に会っても逃げてしまう様になってしまった。こんな事しても仕方ないのに、あまのじゃくが出て来てしまってた。
3年生、クラスはとうとう別れてしまった。隣のクラスになったけど、彼はよく私のクラスに顔を出していた。私のクラスには、彼の友達がいたからだった。どんな形でも彼に会えるだけで嬉しかった。それだけで十分だったはず。しかし、話したい、触りたいという欲目が出てきてしまった。
卒業式、皆が帰った後彼のクラスに入り机に座る。彼と同じ目線で黒板を見る。クラスが違うだけで、卒業するだけでこんなにも遠い存在になることを知った。
『いつのまにこんなにも好きになってたんだろう…』
そう考えると涙が止まらなかった。
どれくらい経っただろう、私はいつのまにか眠ってた。
帰ろうとしたがふと立ち止まり彼の机に、『さよなら、好きになって良かった』と告げた。これが私の最後の高校生活に幕を閉じた。
あれから6年が過ぎ彼は何をしているのだろう。
当日、6年の想いを抱え会場に向かった。参加名簿には彼の名前があった。
辺りを見回して探した。彼は会場の隅にいたまっすぐ向かって声をかけた。
『あっあの』
『やっと話が出来る。君と話したかった。』ぎゅっと抱きしめられ、優しい声で言われた。
『君が好きだった』
涙が出た。ストレートに告げられた事に嬉しさが隠せなかった。
私の涙を優しく拭き取って、
『君の答えを聞かしてくれますか?』
『初めて会った時から好きでした』

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