無風の屋上。ネオンがあたるヘリポート。未央はそんなところに立っていた気がしていた。
声は未央をパイプ椅子に座らせた。その現実味を帯びた金属音で彼女はようやく我にかえった。
「ここ・・・は?」
未央は不安感に駆られつつ、顔を左右にゆらした。
霧のような口調で声がする。
「ここは現実世界の頂上です。 私を合わせて顔を知らない同士の7人がここにいます。その中から私の正体を暴き、6人が天空に叫べば生活に帰れます。ただし、間違えれば床が抜けてあなたたちは地獄を這うでしょう。では、7人を紹介します。
建築家の佐野誠一郎
大学生の内田亮太
介護士の木村真由
弁護士の大黒聡貴
教授の橋本隆信
インストラクターの元木浩介
アルバイトの大田一俊
会社員の白田未央
以後、私は声を変えて話します。さあ、くれぐれも地獄に転落しないように。」