翼 8

 2007-09-30投稿
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外で鳥が鳴いてる。

外泊。

仕事のアフターでもなかったなぁ。

あったかい。

掛け布団だ。


「服、制服着ないと風邪ひくだろ」

服?

私は布団の中に潜り込んだ。


「あーー!!」

「っるさい!…どうした?」

私は昨日の夜、止まらなくなったことを思い出した。

「え…っと、ど……どうでした?」

先生は朝食のコーヒーを零しかけた。

「…いいから、制服」

「ごめん」

「俺、決めたよ」

私は布団の中で制服に着替えながら先生の声を聞いた。

「教師辞めて、志保里と一緒になる」

潜ったまま私は言った。

「私が学校辞めれば済む話じゃないですか。簡単なことです」
「お前なぁ」

「だって、一緒になってくれるんですよね」

「ん、うん」

「なんですか。その曖昧な返事」

「そうだけど、やっぱり俺が決めたことだから。居残りさせたことにしても、一緒になることにしても」

「ふたりの問題ですよね、それ」

その時布団から出た私は、先生の目に涙が溜まってるのを見た気がした。


「教師辞めるなんて言わないで」

「…ごめん」

私は退学を決意した。

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