外で鳥が鳴いてる。
外泊。
仕事のアフターでもなかったなぁ。
あったかい。
掛け布団だ。
「服、制服着ないと風邪ひくだろ」
服?
私は布団の中に潜り込んだ。
「あーー!!」
「っるさい!…どうした?」
私は昨日の夜、止まらなくなったことを思い出した。
「え…っと、ど……どうでした?」
先生は朝食のコーヒーを零しかけた。
「…いいから、制服」
「ごめん」
「俺、決めたよ」
私は布団の中で制服に着替えながら先生の声を聞いた。
「教師辞めて、志保里と一緒になる」
潜ったまま私は言った。
「私が学校辞めれば済む話じゃないですか。簡単なことです」
「お前なぁ」
「だって、一緒になってくれるんですよね」
「ん、うん」
「なんですか。その曖昧な返事」
「そうだけど、やっぱり俺が決めたことだから。居残りさせたことにしても、一緒になることにしても」
「ふたりの問題ですよね、それ」
その時布団から出た私は、先生の目に涙が溜まってるのを見た気がした。
「教師辞めるなんて言わないで」
「…ごめん」
私は退学を決意した。