翌日も千愛はやってきた。
…あやまらなきゃな…。
「千愛、その、昨日は悪かった。」
「え!?う、あ、うん?別に大丈夫。」
…なんで焦る?俺なんか変なコトしてるか?
「……?」
とりあえず訝し気に視線を送ってみた。
「べ、別になんでもないって、変わってないなぁって。」
「変わってない?」
「アレがある前と、今…。」
そうなんだ…。って…。
「アレ?」
そうだ、俺に何があったっていうんだ?
「べ、べべ別に!!なんにも!ただの事故!!」
…事故…。おかしな話じゃないだろうか。何故かって?
俺には特にケガが見当たらないんだ。頭打った訳でもなさそうだし、医者も何も言やしねぇ。
思考を巡らせていると、ふとあるコトに気がつく。
「……親は?親はなんで来ない?それも事故か?」
「えっ…違う…。きっと向こうの世界に…。」
向こうの…世界…?何を言って…?
千愛がしまったていう表情を覗かせた。
「どういうコトだよ…?意味わかんねぇよっ!」
思わず声を荒げてしまう。
「ゴ、ゴメン…。」
「あ…悪かった…。」
きっと何もわからないコトに苛立ってるんだろう…それで千愛に当たって…。
「ゴメン、これ以上話せない…。」
「…そっか…。ところで、俺っていつここ出られんだ?」
どのくらいいるのも忘れた。いい加減この変わらない景色も飽きてきた。
「うーん…?聞いてくるよ。」
そういって部屋を出ていった