―その日の夜
バカ兄の部屋にむりやり入って怒ってあげた。
「なんで?!なんでこんなワケわかんないことばっかすんの?!これからどーすんの?!調べたら、夫婦なんかじゃないってことくらい簡単に分かるんだよ?!めんどくさいことばっかしでかして、このばかっ!!」
バカ兄のとんでもないウソに、やっぱりあたしは腹が立ってしょうがない。
「未来こわーい♪
もうついちゃったウソはしょーがないじゃん☆それよりさ、」
抱きついてこようとするバカ兄を上手くよけた。
「しょーがなくない!てか何で?」
「それは〜未来が一番よく知ってんじゃん☆プ・リ・ン・ス☆」
うっ…
やっぱりそうだったんだ。
「プ、プリンスがなに!この話と関係ないじゃん!」
「未来は昔から顔に出て分かりやすいんだなー♪
…気になってんでしょ?プリンスのこと」
いきなり真顔で言われたから、少し焦った。
いや、かなり焦ってる。
だって一気に顔が赤くなっていくのが分かるもん。
やっぱ、勘鋭い、、
お兄ちゃんは全部お見通しだったんだ。
だから昔からお兄ちゃんにはウソがすぐバレる。
「…………
てか、今日プリンスと話してたの見たんだけど、仲良いの、?
だって、昨日の夕食の時にはプリンスのこと何も知らなかったみたいに見えたから。」
人差し指を顔の前で立てて、ウィンクをして、
「企業秘密かな♪」
って、、、
「…もーいい。」
どーでもよくなって、自分の部屋に戻ろうとして、ドアノブに手をかけた。
「未来」
「なに」
ふてくされたあたしが、いい応えをするわけがない。
「そーんなふてくされんなって。時期にわかるからさ。なっ?」
背の高いお兄ちゃんは、あたしと顔を同じ高さにして両手で右、左のほっぺたを軽くつかんで笑いながら言った。
てか、顔近い。
いつもこの愛嬌に負けるんだなあたしは。(苦笑
「もう、寝るから。お、おやすみ」
逃げるようにお兄ちゃんの部屋を後にした。
それにしても、、
大変なことになっちゃったな〜。
明日からみんなにどーゆー顔を向ければいいんだか…。
てか、、、お兄ちゃんが言ってた企業秘密ってなんだよ企業秘密って!
あーもー
寝よう寝よう。