「あれは何…?
悪魔なの…?
それとも…天使?」
麗奈は小さな声でそう呟いた。
会場はさっきまでの雄叫びが嘘の様に静まり返っている。
「黒い天使だぁぁ!!!」
「殺せ殺せ!!!」
そして沈黙を破り、中央の5人の男達に向かって一斉に銃弾が雨の様に撃ち込まれた。
凄まじい発砲音に麗奈はうずくまった。
しばらくして銃声が止み、麗奈は顔を上げた。
「うそ…」
この場にいた者全てが絶句した。
銃弾は彼等の周りでまるで時が止まったかの様に静止していた。
そして麗奈にはその弾丸の壁の隙間から黒い翼の男が手を振り上げているのが見えた。
黒い翼の男が手を下げると弾丸はジャラジャラと音を立てて床へと落下した。
「嘘だろ…」
「銃が効かないだと……」
「こうなったら……直接切り込め!!!」
黒翼人達は刀を抜き一斉に5人の男達に襲い掛かった。