ある寒い日の晩…、ミラの部屋に兄であるアッシュ。そして非番の龍雅がやってきた。
ミラは暖かい笑顔で出迎えた。
ミラ『久しぶりだね?龍雅?』
龍雅は目線をそらして答えた。
龍雅『その喋り方は相変わらずなんだな…アッシュの通訳で少しは解るようになったが…』
ミラは少し膨れた。
その様子を見たアッシュはすぐに遮った。
アッシュ『ま…まぁ、座れよ!!もう鍋の用意は出来ているから!!』
龍雅は僅かに口元を緩ませた。
龍雅『………準備……ご苦労………』
ミラは間髪入れずに突っ込んだ。
ミラ『あっ、今笑った!!?』
龍雅『……』
龍雅が目線を下に向けると同時にそれぞれが腰を下ろしちゃぶ台を囲んだ。
ミラ『もう具の方もイケるよ?』
ミラの一言を合図に一斉に箸が動く。
アッシュ『さっきから気になってたんだがお前その格好しかなかったのか?』
龍雅は宿舎での着用が義務付けられている紺色のつなぎを着ていた。
龍雅『??俺は戦闘服か制服しか持ってない…普段着などこれで十分だ…それよりもミラ…』
ミラは予想外の振りに目をまるくした。
龍雅『俺が箸をつけても大丈夫か?アッシュはともかく俺は他人だ』
ミラは首を縦に振った。
ミラ『そんなこと気にしないよ?どんどん行こうよ?肉は龍雅が持って来てくれたんだし?』
アッシュ『そうそう!!この女に気を使ったらあとから付け上がって…』
次の瞬間、アッシュの後頭部から渇いた音がなったと同時にミラの豪快な手の平スマッシュが決まった。
龍雅はそれからの二人のやり取りを不思議そうに眺めていた。
龍雅『俺は…お前達が羨ましい…』
ミラ『え??』
その時、龍雅の受信専用携帯モジュールが緊急信号を発した。
龍雅『アッシュ…状況が悪化した。残念だが休暇は別の日に変更らしい』
アッシュは席を立ち上がった。
アッシュ『ふう〜、アイドルはつらいねぇ…ミラ…俺達は行くよ…』
次の瞬間、ミラも席を立ち上がり龍雅を見つめた。
ミラ「…龍雅…気をつけて…?」
龍雅は振り向き様に一瞬口元を緩ませた。
次の瞬間…再び強力な光が周囲を包んだ。