「あっさりと死んだなー」
目の前にはフォークが突き刺さったリーダが倒れている。
「初歩的な浮遊魔法でフォークをぶっ刺して一発でやられるとは…
こんな雑魚が手配者なんて呆れるわ…」
少しクセのある金髪碧眼の美形の天使は呆れた様に掃き捨てた。
「このテロ集団の中で手配者はこいつだけか?」
「あぁ…残りは全て下っ端だ。」
眼鏡を掛けたインテリ風の茶髪の人間の男が、もう一人の茶髪のオールバックの天使に尋ねて天使はぶっきらぼうに返した。
「敵の数は50。
一人あたりノルマ10人…
殺さない様に『明刀』を使えよ。」
5人の中で一番年上の武将髭を生やした男は皆に言い聞かせる様に言った。
「了解。
停止魔法を解くぞ。
3、2、1」
カラスの様な漆黒の翼を持つ銀髪で紫色の瞳を持つ男は手を振り下ろした。
同時に弾丸がジャラジャラと音を立てて床へと落下した。
「銃が効かない…」
「嘘だろ…」
「こうなったら…直接切り込め!!」
黒翼人達は銃での攻撃を諦めて刀で直接切り込み攻撃を開始した。
「エルファ、練牙。
もう一度浮遊魔法を掛けて奴等の手を殺せ。」
「「了解。」」
金髪の天使…エルファ、茶髪の天使…練牙は浮遊の呪文を唱えた。
するとパーティ会場のフォークやナイフが浮かび上がり、次々と黒翼人達の手へと突き刺さった。
会場に黒翼人達の悲鳴と共に、刀が手からこぼれ落ちる金属音が響き渡った。
「掃討開始。」
武将髭の男がそう言うと、5人は一斉に腰に挿している刀を抜いた。
そして5人は影の様に消えて散り散りになった。