あと3つ先の駅で終点…
いつも一緒にいたキミはもういない。3つ先の終点でキミは死んだ…。
あの死からもう30年も経つのに俺はまだあの死を受け入れられない。
あの日が最期になるなんて俺とキミは思ってもみなかった。30年前、当時僕たちは若かった。夏休みだからプールに行く予定をしていた。[5日後だね][そうだね]二人で初めて行くプール、楽しみにしていた。
ラブラブだった…楽しみにしていたプールには…行けなかった。プールに行くまであと1日、彼女と僕は一緒に買い物をして明日が楽しみだった。水着を買い終わり電車に乗り、後は明日を待つだけ。そしてあの3つ先の駅まであと一駅。 キミが死ぬ前に言った言葉…僕は忘れない。
[明日は8時に集合だよ]
とキミは言った。
僕は言った[約束するよ]
そして…死のサイレンが鳴った。電車は混んでいた。彼女は次の駅で降りる。 彼女は[じゃあ明日ね]
と言った。僕も家に着き、明日の準備をしていた。 そして翌日…家を出ようとしたその時、母親が火事があったみたいよと言った。場所は○○市…そう彼女の家だった。最初、彼女だとは知らず母親に[どこで火事があるの?]と聞いたら、○○市みたいと母親の言葉を聞き…まさかと思い…僕は大急ぎで走り続けた。とにかく走り続けた。
彼女の家の近くに行くと…消防隊が火を消していた。僕は無我夢中で彼女の部屋に行った。するとそこには彼女が泣き叫んでいた。 [おい…死ぬなよ約束しただろ]彼女は…[死にたくないよ]と泣き叫んでいた。僕が彼女を抱きしめていると彼女の手には小さなネックレスを俺に渡した。
そうそのネックレスは彼女に初めてあげたネックレスだった。彼女は言った。 [もう火が足まできてるから私は行けそうにないよ…わたしの変わりはネックレスだから悲しまないでわたしはあなたの前に永遠にいるから]俺は涙をこらえて彼女に最期の言葉を言った。[ネックレスは俺とお前いつか必ずまた逢おう]
そして俺はその部屋を後にした。火は燃え続けた。
彼女との会話後30分後に火は消された。
俺はプールへは行けなかった。約束は守れなかった。