明日。

山本 知佳  2007-10-02投稿
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私は一人教室でたそがれていた。

……フラれた。

3年間付き合っていた彼に「別れよう」と一方的に言われ、結局別れる事になった。

付き合う期間が日単位の私は、結構長く続いていた。

ふと、窓の外に彼の姿が見えた。(私の席は窓側の一番後ろ。)



私の次の子。



校門のところに、髪を結んだ小柄な可愛い女の子が立っていた。そこに彼が駆け寄り、腕を組んで仲良く帰って行く姿がはっきり見えた。

何故だろう。
不思議と哀しさは無かった。


校門に立っていた女の子は私より可愛いし、小柄だし、彼ともお似合いだし………



涙が頬を伝った。
哀しさは無いのに、辛さも無いのに、何故だろう 涙が沢山溢れてくる。

別にショックでもない。
なのに………

ガラッ

突然教室の引き戸が開き、一人の男が現れた。

「あれ 牧野?」

「優………」

幼なじみの優だった。

考える暇もなく、優にしがみつき、泣いていた。

「牧野?」

優は驚いていたが、すぐに私を抱きしめてくれた。優ってこんなに、温かかったっけ?優ってこんなに、優しかったっけ?優ってこんなに、おっきかったっけ?

頭の中は優で一杯だった。
……………………………………
「大丈夫?」
「………うん」


「牧野」

帰る準備をしていたら、優がそばに来た。
「ん?」

優は突然私を抱きしめて、こう言った。

「俺と付き合ってくれ」


「………え………」



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