ねぇ、覚えてる？
｢一人暮らしとかしたいなぁ。｣
｢いつするの？｣
｢ん…お金貯まったら？かな。｣
｢今から貯めんのかよ！？それ俺の方が早いんじゃない？｣
｢うるさい！｣
｢じゃあさ、俺が一人暮らし始めたら…来れば？｣
｢絶対私の方が早いもん！じゃあもし私が早かったらさ…うち来てもいーよ？｣
まだ付き合い初めて間もない頃。本当はすごく嬉しかったんだよ？私は素直じゃないから、あんな風にしか返せなくて。君のぶっきらぼうな言い方がなんかやけに嬉しかった。
もう二年か。早いね…。突然の別れだったね。あの時は、世界がモノクロになるってこういう事なんだって思ったよ。
｢お前に待ってろなんて言えない｣
お互い好きなのにどうしてダメなの？どうして別れを選ばなきゃいけないの？待ってろって言ってよ！何年だって待てるのに…。
私ね、一人暮らし始めたんだよ。君ももうどこかで、新しい人と新しい生活始めてるのかな。
でも、もしね。
もし、君がまだ一人でいるのなら……うち来てもいいよ？
約束なんて一つもない。あの時確かに私達は別れを選んだ。それでも私はきっと、あと少し、もう少しだけ、君を待ち続けてしまうんだろうね。
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