振り返るとクラスのいじめっ子が立っていた
「悪い、足が滑ってさ」
「…別に」
反応しない僕に興味を失ったらしく奴は大股で歩いていってしまった。前の僕なら怒って殴るくらいしていただろうか
「気をつけなよ。あいつ、怖そうな高校生とつるんでるみたいだから」
「大丈夫だよ」
くだらない。どうしてこうもくだらないのだろう。
夜。僕は布団をかぶり泣いていた。
もういない。でかい手で髪をクシャクシャと撫でてくれる父さんもおやつによくドーナツを作ってくれた母さんもいない。そして何より、僕はあの人達を殺してしまった。心がめちゃくちゃで考えるのがいやだった。でも思い出してしまう。地震は僕の心は壊してしまった、そんな気がした