彼が死んだ。間違なくあのニュースは、彼の名前「阿佐美 響悟(あさみ きょうご)」だった。
同級生だったこともあり、何人かでお葬式に行った。周りは「やだー」「響悟ー」と泣き叫ぶ声。私は放心状態で、お参りして家に帰って、大泣きした。
「あぁ。なんであの時勇気だして声掛けなかったんだろう」「なんでこんな性格なんだろう」「お願いだから、戻って来てー」
と叫び、気付いた。
「私は、本気で彼が好きだ。」
今、そんなことに気付いても、彼に伝えることは出来ないのに。
そう思ったら、余計に泣けた。
ふと顔を上げると…。目の前に死んだはずの阿佐美君が立っていた!
「えっ?」
と私。
「えっっ?!」
と彼。
「えぇぇぇっ?!?!」何が起きてるのか分からず、叫んでしまった。
すると、下から「うるさ〜い!!」とっ。
「お前、俺が見えるのか?」
「みっ、見えるも何も、くっきりはっきり!!」「そっかぁ。さっきまで自分の葬式見てたんだ。」
「俺はここにいるのに、お袋も、親父も気付かなくて、そしたらいきなり物凄い力で引っ張られて、気付いたらお前が目の前で泣いてた。」
頭がフラフラする。しばらくして私は気を失った。
気がつくと、彼の姿がなく、さっきのは夢だったのか!と自分に言った。その瞬間、いきなりまた目の前に現われた阿佐美君。
「キャッ!」
「夢じゃないよ?お前は俺が見えてる!その事実は変わらないみたいだな。」
と、彼は何か考えるように言う。
「なんで、俺はお前の所に来たんだ?」
「物凄い力で引っ張られたのは確かで…。」
「あのー落ち着いて考えないでよ!」
「わっわっ私、霊感なんて今までなかったし、かなり動揺してて、まだ信じらんないんだから〜(泣)」
ほんとに違う涙が出そう…。
「あっ!!」
突然、彼が手を叩いて…「なっ何よっ。ビックリするじゃない!!」
私は、泣き腫らした目で睨んだ。
「お前、俺を呼んだだろぉ!!」
何かで聞いたことあるぞ!とばかりに、私に詰め寄って来た。
「なっ!呼んでなんか…あっ!!」
「やっぱりー!」
納得した様子。
「でっ?なんで俺を呼んだんだ?」
早く言え!とばかりに詰め寄って来る。
(そんなこと言えないでしょぉー!!)
と心の中で叫び、私はこれから、どうなるんだろう?と不安な気持ちが…。