処刑生徒会長第三話・12

まっかつ  2007-10-03投稿
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『何をエラそうに―君こそ独裁者みたいじゃないか』

『イジメ撲滅路線何て、じき破綻するよ。その内必ず妥協なり変更なり余儀なくされるのは目に見えてる』

『それに、広がってるって言ったってまだまだ少数なんだろ改革派なんて?何で今から騒ぐ必要があるの?』

『まだ一年生でしょ梅城君て―権力振るうのが楽しくて仕方がない時期なんだよ。その内現実見る様になれば彼も落ち着くって』

『そうそう、先輩としてさあ、俺達が逆に彼を暖かく見守る位の器量を見せないと』

『ある程度は頑張ってもらった方が良いんじゃない?彼に?逆に俺達の学校の綱規粛清になる』

『うん。それが見識ある生徒会運営って物だ』

『大体さ奈良木会長―じゃあ貴方が我々を率いて第三中学校と闘う覚悟があるのかい?我々がもし彼に攻められたら、命を賭けてでも守ってくれるとでも言うのかい?』

『一条フサエってさあ、嫌われ者なんだろこの辺りの?殺されてむしろ清々したじゃないか?そんな女、俺達に関係ねえし―梅城会長も別に個人的復讐を果たしただけじゃん』

『そうだよ。まあ復讐は良くないけどさ。仇を討てて彼も満足しただろう?俺達と敵対する意思何てないさ』

霧島達とともに聴講席の端に座りながら―\r

この様子を眺めて九重モエは秘かに溜息をついた。

これが穏健派の実態だ。

無責任・無関心―\r

皆が皆、己の保身と利害のみしか考えず、闘う意欲はない。

主張する気概もない。

何か危険があれば、屁理屈に逃げ、他者に全てを押し付け・利用し・それでいて成果の配分だけにはあずかろうと目論み、

合従連衡・権謀術数の限りを尽し、お互いの足を引っ張る―\r

腐敗・堕落の巣窟と言っても言い過ぎではなかった。

それを口先だけの美辞麗句で騙しているだけだ。

他者と自己を―\r

確かに穏健派は数が多く、実を言えば兵力でも第三中学校を圧倒している。

だが、それに命ずる立場にある人間がこれでは、梅城ケンヤに【対処】等、それこそ夢物語ではないか―\r

九重モエは今更ながらに失望を深くした。








『で、我らのリーダーはやっぱり九重会長でしょ?九重会長はどう思うの?』

全く九重モエがいなかったら、彼らは集まる事すら出来なかっただろう。

促されてモエは、演壇へと降りた。

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