「ナぁオぉ〜!ねぇ起きてよぉ〜」
「お買い物行くって言ったじゃんっ!!」
モモはベットに横たわるナオに馬乗りになって体を揺さぶり起こすのに必死だった
ナオはと言うと『う〜ん行く行く‥』と返事はするものの連日の早出や残業の疲れに、もはや太刀打ち出来るはずもなかった。
どのくらい時間がたったのだろう。ふと気付くと部屋はシ〜ンとしていて重みも温もりもすっかり無くなっていた。
『やっべえっ!』
慌てて一階に行き窓から車を確認した。
『よかったぁ‥まだ居た』
ナオが二階の隣の部屋を恐る恐る覗いて見るとモモは家計簿をつけていた。ナオに気付きモモが振り返った。
(怒ってるよなぁ‥)
そう思い立ち留まった瞬間。
「起きたのぉ?!」
モモは大好きな物を見つけたかのように嬉しそうに笑った。
『待ってたの?』
「うん!疲れてるんだなぁって思ってコレやって待ってたの!」
『怒って一人で行っちゃったかと思った』
「行くわけないじゃん」
(年上の女とは他にも付き合った事はあるが、こんなにむじゃきでカワイイと思った事があっただろうか。)
ナオは愛おしさでモモを小突いた。そして確信した。
こいつと結婚して良かったと‥