俺は今、教室の扉の前に立っている。それも教師として。
「ピアスって痛くない?」
それが出会いの言葉。俺は高校の時不良だった。
先輩の怒りを買い、袋叩きにされ入院した先にいた女だった。それが俺の学校の教師だったときはびびったものだ。
あの人は普通じゃなかった。
学校がだるいと言うと一緒にサボってゲーセンに行ってくれた
人の弁当をつまみ食いするのが日課だった
雨の日に傘を忘れたと言って入ってきた時の笑顔は可愛かった
彼女あっての自分。心からそう思った
だから彼女が倒れたときはどうしていいかわからなかった
元々心臓が悪かったらしい。最近回復に向かっていたが急変したんだと医者は言っていた。
彼女が死んだ時、俺も死のうと思った。本当に彼女が僕の全てだったから
「君は生きて、私の代わりに。私は愛している君に生きて欲しい。」
その言葉がなかったら俺はここまでこれなかったと思う
先生、僕は先生の代わりに生きるよ。先生が俺を救ってくれたように俺も生徒を救ってみせる。
決意を胸に教室のドアを開けた