先生

藤間  2006-03-18投稿
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俺は今、教室の扉の前に立っている。それも教師として。

「ピアスって痛くない?」

それが出会いの言葉。俺は高校の時不良だった。
先輩の怒りを買い、袋叩きにされ入院した先にいた女だった。それが俺の学校の教師だったときはびびったものだ。

あの人は普通じゃなかった。
学校がだるいと言うと一緒にサボってゲーセンに行ってくれた

人の弁当をつまみ食いするのが日課だった

雨の日に傘を忘れたと言って入ってきた時の笑顔は可愛かった

彼女あっての自分。心からそう思った
だから彼女が倒れたときはどうしていいかわからなかった

元々心臓が悪かったらしい。最近回復に向かっていたが急変したんだと医者は言っていた。

彼女が死んだ時、俺も死のうと思った。本当に彼女が僕の全てだったから

「君は生きて、私の代わりに。私は愛している君に生きて欲しい。」

その言葉がなかったら俺はここまでこれなかったと思う

先生、僕は先生の代わりに生きるよ。先生が俺を救ってくれたように俺も生徒を救ってみせる。

決意を胸に教室のドアを開けた



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