彼女にふられて半年。ショックからまだ立ち直れずに僕は新しい彼女を作れずにいた。
日曜日は仕事が休みなので僕は朝から電車に乗ってJR難波駅まで向かい、そこからは徒歩でアメリカ村まで向かった。
いつ来てもアメリカ村は賑やかだ。毎日が祭りのようだ。非現実的であり、もやもやした心が紛れる。彼女とのデートでも度々ここに来たが、その時は二人の気持ちを盛り上げてくれる役割を果たしてくるた。
僕はアメリカ村を知り尽くしていると自負していたが、見覚えの無い小さな店を発見した。メルヘンチックな店構えで、引き寄せられて店内に入って行った。手作りであろう可愛いアクセサリが所狭しと並んでいる。
細長い店内の奥のほうにレジがあって店員が座って微笑んでいる。他に店員はいない。僕以外に客もいない。
横目で見ただけでもその店員はげっそりと痩せていて骸骨のようだ。明らかに重い病を患っている。