4月、外を見渡せば満開の桜が咲き誇り、春の生暖かな風が吹いている。
そんな春の陽気な雰囲気が、俺を少しばかり憂鬱な気持ちにさせる。
これから始まろうとしている高校生活に、何の期待感も持てないでいるからだ。
仲間とか恋愛とか……そんな物に対して、どこか冷めきってしまっているんだ。ずっと一人で生きてきたから……。
親は俺が三歳の時に事故で亡くした。それからは父方の祖父母に預けられたが、可愛がってもらった記憶は一つとしてない。
まぁ、若い頃の親父は相当“ヤンチャ”してたみたいで、勘当されたも同然の親子関係だったらしいから、当然といえば当然か(笑
愛情さえ注がれなかったものの、祖父は世界でもトップクラスの自動車会社の社長ということもあって、一切金の心配をすることなく育てられた。
お陰で…そんな15年の俺の人生はは、俺に愛情の代わりに力を与えてくれた。
親父の血が流れているからか、腕っぷしだけは誰にも負けなかった。気に入らない奴がいれば、片っ端からブッ飛ばしてやったよ。
『これからもソンナ人生が続いていくンだろう』
今はただ漠然と、そう信じていたんだ。。。