私にないもの全部もってる美香
高1の時、好きな人にフラれたよ。その人は言った、好みのタイプはクラスのアイドル的存在の美香だって。どんな子だろうって、隣のクラスを覗いて、みつけた。ちっちゃくて細くて守ってあげたい感じだから、すぐにわかった。
美香と私、仲良くなるのに時間はかからなかった。好みも性格も似ていたから、美香になりたくて美香になりたくて美香と一緒にいたかった。くやしいけど美人できどらない美香がうらやましかった。
街を歩けば声をかけられる、慣れっこの美香をみてくやしさを覚えた。
美香がもっているものが全部ほしい、私が美香だったらいいな。美香になって大好きなあの人にもう一度ね。
美香と仲良くなるにつれ美香の仲いい女友達さえ消えてほしいと思った。その感情はまるで恋愛をしているかのようで美香を私だけのものにしたいと思った。
私の女友達ともすぐに仲良くなって、私より仲良くなって、男も女も美香の側には人が集まる。
美香を先にみつけたのは私なの。美香は誰にもわたさない。
数年後、美香がいった、高校時代１番の仲良しは私の名前ではなかった。
私は泣いた。美香は私の手の届かない人。
この不思議なくやしさとせつなさは美香が初めてだった。私も美香が好きだった。美香になりたい。
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