「フィル!」
「ミラか」
ミラがフィルの元へ来たときには、フィルはすでに剣を抜き臨戦体勢であった。
「さっきの声は?」
「あそこだ」
ミラはフィルの視線の先を追った。
そこにはミラの背後にあるような光景が広がっていた。
無数のモンスターの死骸の山。
しかし、その様相はさらに酷い。
まるで食い散らかした後のように、モンスターのの四肢はちぎれているのである。
そして、恐らくその張本人が、その中心にいた。
鋭い牙を剥き出しにした身の丈6メートルの巨獣が。
「あれは…上位四級」
「〈ビッグファング〉…」