「ソウヒ〜会いたかったにゃん」
馬鹿かこいつ。
この女、風俗嬢。
「ねぇ、次はいつあたしを抱いてくれるの?」
さぁな…
「なによそれ!あたし頑張るのに!!」
なにを頑張るんだよ…
「もぉ〜」
エリカは頬を膨らませて怒ったそぶりを見せた。
それで自分が可愛いとでも思ってんのか?
どう考えてもデブスだろ。
女は俺の顔が好きなんじゃない。弟の顔に似た俺の顔が好きなんだ。
「あの人!向井遥にそっくり!こっちに呼んでよ」
遠くからババアが言う。
同時に田中が俺の肩を叩き、ババアの方に目をやる。
「お待たせ致しましたー!曹丕さんでーす」
「やっぱねぇ向井遥くんそっくりだわぁ、あなた可愛いわね」
どうも…
向井遥。ヤツの芸名。
実際は違う、どこにでもいそうな名前だろ。
て、俺もか。
狭間曹丕。俺の源氏名。
ナンバー1、どーでもいいがやっぱり気持ちがいい。
「聞いてるの?いくらで今晩買って欲しいの?」
俺は高いぞ…
「100万でどうかしら?」
いつの間にか話が進んでいる。今日の俺どうかしてるな。飛んでるよ、たいした酒も飲んでないのに。
わかった交渉成立だ…